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悲しみから逃れられない時は

もしもあなたが今、悲しみから逃れられなくて、どうにもならないと感じているのなら


無理に笑う必要もないし
顔を上げる必要もない

強がったり
自分より不幸な人を探す必要も全くない



今私は悲しいんだな、辛いんだなって
まずは目をそらさずに認めよう

大丈夫
必ず悲しくなくなる日がくるから

大丈夫
時間の流れは優しいから



今出来ることは
あなたを取り囲む全てのものに目を向けること

眠れない夜の部屋の照明
窓、毛布、目覚まし時計

そのひとつひとつに
「ありがとう」って言ってみること

部屋の照明、私を照らしてくれてありがとう
部屋の窓、外の景色を映してくれてありがとう
毛布、眠れない私を暖めてくれてありがとう
目覚まし時計、正確に着実に時を進めてくれてありがとう


ありがとうを言う理由なんて、なんでもいい



スリッパ、なんかわからんけど、ありがとう
掃除機、とにかくありがとう


それで充分



眼に映るもの全てに感謝しつくしたら、自分が「ありがとう」のまんなかにいることに気付く

さっきまでいた、悲しみのど真ん中から、ちょっとだけ離れた気がしない?


少なくとも私は

そうやってただひたすら、ひとつずつひとつずつ、私を包んでいるもの全てに、ありがとうを言い続けていた

ありがとうって言うたびに、自分を包む暖かいバリアが分厚くなるような気がした

やがて沢山のありがとうに包まれて、お母さんのお腹の中のような居心地の良いところで眠る


眠って眠って眠り続けたら、次に目覚める時は、悲しみのど真ん中から、また少し離れられる


また1日が始まる


ありがとう
ありがとう
ありがとう